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ワールド大阪ロータリーEクラブ
会長 中西 教之(自動車販売業)
🍷【事業の始まりと終わり──そして次なるステージへ】
先日、親しくしている物流会社の社長さんが、
長年続けてこられた運送部門を事業譲渡されるとのことで、一献ご一緒させていただきました。
経営者としての決断と覚悟。
その想いを伺いながら、胸に迫るものがありました。
今、日本の中小企業にとって、M&Aや事業承継は避けて通れないテーマとなっています。
帝国データバンクの調査によると──
📊 2024年時点で社長の平均年齢は60.7歳。
📉 社長の「交代率」は3%台で低迷する一方、
📈「社長の高齢化」は34年連続で過去最高を更新中。
さらに、**2025年には団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)**となることから、
「経営者の病気・死亡による倒産」も増加傾向にあるそうです。
つまり──
**“早期からの事業承継準備が、これまで以上に重要になっている”**というのが現実です。
ロータリークラブに在籍されている皆さまの中にも、
きっと同じような悩みや決断を抱えておられる方がいらっしゃるのではないでしょうか。
事業には「始まり」と「終わり」があります。
でもそれは、「終わり」ではなく**“次の誰かに想いを託す”**という選択肢でもある。
私自身、こういった節目に立ち会わせていただくたびに、
ロータリーの「超我の奉仕」精神が、その先を照らすヒントになるのではないか──
そんなふうに感じています。
これから直面する様々な経営課題。
一人では難しくても、“仲間となら乗り越えられる”。
そう信じて、今日も一歩ずつ進んでいきたいと思います。


ワールド大阪ロータリーEクラブ
SAA
永井 純(服飾企画・製造・販売)
SAAより、ワールド大阪ロータリーEクラブ第676回例会の出席報告をさせて頂きます。■会員総数:25名
■今週の出席:25名
■今週の出席率:100%
以上です。
幹事報告
ワールド大阪ロータリーEクラブ
幹事
角谷 智志(生命保険代理店業)
・各位メッセージボードをご確認ください。


ワールド大阪ロータリーEクラブ
木村 大二(建築塗装)
皆様こんにちは。
今日は いけんの日(平和への思いを忘れない日)ということで安全保障関連法案が可決された日ということです。
違憲から自分の意見、他の異見、を聞くことの意義などを表した名前になったそうです。
そんなところから卓話に入らせて頂きますが、その人の深層心理について最近関心を寄せているのが能楽です。
能という芸能は、単なる古典芸能ではありません。
そこには、日本人が自然や命、世界とのつながりをどう捉えてきたかという深い精神性が込められています。
能の源流は非常に古く、飛鳥時代にまでさかのぼります。
当時、渡来人系の有力者であり聖徳太子の側近でもあった秦河勝(はたのかわかつ)が、中国や朝鮮の文化や舞踊を日本に伝えたとされます。
秦河勝に至ってはかの秦一族、神社仏閣、機織りの技術、陰陽道占星術なと謂れを話せば数あるので、また機会があればその時にと思います。
秦河勝 彼が支援した芸人たちが、大和の地で芸能を行い、これが後の「猿楽(さるがく)」の原型になっていったと考えられています。
そして室町時代になると、観阿弥・世阿弥の父子によって、この猿楽が芸術として洗練され、能として大成されました。
彼らは舞や詞章、音楽、所作のすべてを体系化し、能を「祈り」や「哲学」の次元にまで昇華させたのです。
これが今からおよそ650年前のことになります。
能はとくに、「宇宙や生命のはじまり」を象徴的に表す芸能でもあります。
代表的な演目「翁(おきな)」は、神に捧げる儀式として特別な位置づけを持ち、舞台上で「天地開闢(てんちかいびゃく)」つまり、宇宙が生まれ、日本という国が形づくられた神話世界を表現します。
日本神話では、最初に天と地が分かれ、イザナギとイザナミの二柱の神が現れ、海や山、そして日本列島を生み出していきました。
能の舞台では、笛や鼓の音が陰陽の気を表し、「翁」という存在が人間の祖であり、神そのものであることを象徴的に示します。
このように、能の中では言葉・音・動きすべてが、宇宙や命の根源に関わるものとして扱われています。ただの演劇ではなく、舞台そのものが「宇宙創造の再現」であり、自然・人間・神の一体性を体感する場なのです。
さらに、演目の多くには「和の心」や「共生の精神」、「言霊(ことだま)」への信仰が込められています。
「和の心」とは、
単なる“仲良く”という意味ではありません。
「異なるものが調和し、ひとつの世界をつくり出す」こと。
それは自然と人、神と人、人と人との間に、争いではなく調和を生むという、日本人の美徳を指します。
「共生の精神」では
多くの能の演目では、亡霊や怨霊が登場しますが、彼らを討つのではなく、語らせ、鎮め、成仏させていきます。
つまり、過去も現在も、目に見える存在も見えない存在も、すべてが共にこの世界に生きる仲間であり、否定するのではなく、受け入れて調和していくという考え方が根底にあるのです。
「言霊(ことだま)」
たとえば「高砂」では、祝言能で、「長寿」や「夫婦円満」「国家安泰」といった願いが、美しい言葉に込められています。
美しい言葉が良い縁を生み、調和をもたらす力があるとされています。
そして、能とともに日本の伝統音楽文化を支えてきたのが雅楽(ががく)です。
雅楽は、古代の宮中儀式や神社の祭礼で用いられてきた音楽で、能とも共通する“神に捧げる芸能”という性格を持っています。
実際、雅楽の旋律やリズム、間の取り方は、能楽に影響を与え、今なお舞台の精神性や空気感の中に生きています。
現代社会では、効率や即時性が求められるあまり、「間」や「沈黙」や「共に在る」という感覚が失われがちです。
でも、だからこそ今、能のような「静けさの中にある真実」や、「人と自然とが共鳴する感覚」が、私たちの心にとって必要なのだと思います。
室町時代以降、能は武士たちに愛され、江戸時代には徳川家康によって「式楽」として保護され、全国に広がりました。
それから今日まで、650年にわたって脈々と受け継がれてきたわけです。
人間国宝の大倉源次郎さんも、能はただ守るものではなく、「現代や未来に生かしてこそ意味がある」と語られています。
実際に、子どもたちへの教育や地域との連携を通じて、能を次世代へとつなげていく取り組みも積極的に進められています。
つまり能は、過去の文化財ではなく、これからの時代をより豊かに生きるための知恵の宝庫なのだと、自然との共生、命への敬意、人と人との静かなつながりそういった価値を思い出させてくれる、貴重な文化なんだと感じざるを得ません。
それでは雅楽で 君が代 をお聞きください。

